えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

酒とバラの日々

 先日、藤田菜七子騎手が、女性騎手としては初のJRA100勝を達成しました。久しぶりにニュースで見る顔は、以前からの可愛らしさに、精悍さ(女性に対しては失礼かも知れませんが)が加わり、とても魅力的でした。JRA新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今月31日の日本ダービーまで、無観客で実施すると決定しているということに加えて、フランスの「美人すぎる騎手」ミカエル・ミッシェル騎手が短期免許を終えて先月帰国してしまい、競馬ファンにはイマイチ盛り上がりに欠けるこの時、このようなニュースは良いですね。

 

今日は、「純粋さ」と「愛らしさ」を持つお二人のニュースを見て、ふと思い出した曲をご紹介致します。1982年5月29日付ビルボードチャートで18位まで上昇したDan Forgelberg, ”Run for The Roses"です。

この曲は、競走馬として育っていく仔馬を歌ったもので、タイトルの"Run for The Roses"はアメリカクラシック3冠の一つとして行われるケンタッキーダービーの別名として使われている言葉です。まずはその歌詞から。

 

Born in the valley

And raised in the trees

Of Western Kentucky

On wobbly knees

With mama beside you

To help you along

You'll soon be a growing up strong

 

All the long lazy morning

In pastures of green

The sun on your withers

The wind in your mane

Could never prepare you

For what lies ahead

The Run for the roses so red

 

And it's run for the roses

As fast as you can

Your fate is delivered

Your moment's at hand

It's the chance of lifetime

In a lifetime of chance

And it's high time you joined in the dance

It's high time you joined in the dance

 

山あいで生まれ

木立の中で育ち

そのケンタッキー西部で

まだ足もおぼつかない

君の傍らには母親が

自立していくのを見守っている

時を待つこともなく、たくましく成長していくのを

 

まだ日が昇りきらない中を

緑一面の牧場でのんびりと過ごす

肩には太陽の日差し

たてがみにはそよぐ風も

心構えをもたせることは出来ない

この先に待ち受けていることへの

真っ赤な薔薇に向かって走ることへの

 

それは薔薇に向かって走ること

精一杯に

君の運命は決まっているんだ

その一瞬が目の前にある

これが一生に一度のチャンス

チャンスだらけの君の一生の中にある

もう君もあの馬たちの一員だ

もうダンスを楽しんで良い頃だ

 


Dan Fogelberg - Run for the Roses (from Live: Greetings from the West)

 

なぜケンタッキーダービーの別名に「薔薇」という言葉が入っているかというと、優勝馬の背中に細長い毛布のように編まれた真紅の薔薇が掛けられるからです。このケンタッキーダービーは1875年に始まり、今年で146回目になるそうです。その間、戦争等による中断も一切なく、毎年行われてきました。

 

この曲を知ってからしばらくした後、酒屋さんで"Four Roses"というバーボンを見つけ、なんとなく言葉が似ているなと思い、買いました。晩酌に飲んでみると、結構おいしく、曲共々私のお気に入りとなりました。その後、毎晩"Run for The Roses"を口ずさみながら飲んでいたので、今でも歌を聴くとバーボンを、バーボンを飲むとこの歌が頭に自然と浮かびます。最近いろいろなことを忘れがちなので、好きなお酒と結びつけて覚えていけば、もう忘れることがないのかなと思う時もありましたが、そんなことをしていたら家中がお酒だらけになるので、やめることにしました。

 

ちなみに、"Four Roses"という名称は、創業者のPaul Jones. Jr.氏が、ある女性にすっかり魅了され、プロポーズしたところ、その女性が「プロポーズをお受けすると決めた時には、次回の舞踏会のドレスに薔薇のコサージュをつけて参ります」と応えたそうです。舞踏会当日、Jones. Jr.氏がそわそわしながら待っていると、彼女が4つの薔薇のコサージュを美しいドレスにつけて現れました。さぞや嬉しかったのでしょう、その女性に対する心からの愛情を、自分の最愛のバーボンにつけることにしたそうです。その女性とのその後はわかりませんが、なんか微笑ましく感じます。

 

かなり本題から話が外れてしまいました。お酒を飲むのが好きな人は、何でもお酒に話を結びつけてしまうのが悪い癖です。