えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

笑い飛ばしましょう

東京は、コロナウイルスの感染拡大の勢いは鈍くなっているものの、感染者が依然多いということで、21日に緊急事態宣言解除の可否を判断する見通しと報道されています。一方、緊急事態宣言が解除される地域でも、今後もある程度の自粛は継続しなければならないでしょうから、まだまだこの停滞ムードからの脱却は難しいようです。

 

そこで、今日はそんな停滞ムードでも、なぜか聴いているほうも自然と笑ってしまうエルビス・プレスリーの名曲を紹介したいと思います。これは1969年8月26日のラスベガスでのコンサートで録音されたものです。皆さんご存知の、"Are you lonesome tonight?"の歌詞をちょっと変えて歌っています。そのコンサート当日の映像は見つかりませんでしたが、そのパフォーマンスの様子はよく分かると思います。笑いのきっかけが、自分のアドリブがおかしかったのか、自分の目の前に見えるファンに笑ってしまったのかは分かりませんが、後半は笑いっぱなしになります。

 


Elvis Presley Are you lonesome tonight Laughing version

 

Are you lonesome tonight?

Do you miss me tonight?

Are you sorry we drifted apart?

Does your memory stray

To a bright summer day

when I kissed you and called you sweetheart?

Do the chairs in your parlor seem empty and bare?

Do you gaze at your doorstep and picture me there?

Is your heart filled with pain?

Shall I come back again?

Tell me dear, are you lonesome tonight?

 

今夜はさびしくないのかな

僕がいなくて、さびしいと思っていないのかな

悔やんでいるだろう

僕たちが離ればなれになってしまったのを

思い出がつい向かってしまうのが

あのうららかな夏の日

君にキスをして、愛をささやいた日のこと

君の家の居間にあった椅子も座る人もなく、さびしそうになって

玄関のステップを見ては、僕のことを思い出しているのでは

君の気持ちは悲しみでいっぱいではないの

もう一度、僕が君のもとへと戻っていこうか

ねえ言ってごらん、一人でさびしいだろう

 

念の為に解説致しますと、" Do you gaze at your doorstep and picutre me there"のところを、"Do you gaze at your bald head and wish you had hair(自分の禿頭をじっと見て、髪があったらなと思っていないかい)"とアドリブで歌ったことが、後半部の笑いのきっかけでした。一説には、その部分を歌った直後に、目の前の男性が自分のカツラを取り、曲に合わせてカツラを揺らしているのを見て、堪えられなくなったというものがありました。映画「エルビスオンステージ」でも、リハーサル中やステージ上でおどけるシーンも多く見られますから、人を笑わせるのが本当に好きな人なんだなと思います。ちなみに、バックコーラスで素晴らしい高音の女性の声を聴くことができますが、この声は ホィットニー·ヒューストンのお母さんだそうです。

 

この映像には含まれていませんが、レコードでは歌い終わった後に、"fourteen years right down the drain (14年間が水の泡だ)"と言っています。1969年のコンサートの時点で「14年間」ということは、最初のレコードを出した1954年からではなく、マネージャーの「パーカー大佐」と契約を結んだ1955年からが本格的な活動だったいうことでしょうか。いずれにしても、全く水の泡にはなっていません。このパフォーマンスはシングルカット化され、ヨーロッパではシングルチャートで1位になったそうですから。腐っても鯛ではなく、笑ってもエルビス・プレスリーです。