えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

本当に"Black Lives Matter"と思ってる?

アメリカ西部、南部を中心に、再び新型コロナの感染が拡大しているようです。感染者数が260万人、死者数が12万人を大きく超えてもなお、マスク着用義務に反対する人が多いとの報道もあり、いささか驚きました。マスクを着用するか、しないかは、個人の自由だから、強制はおかしいということなのでしょう。また、マスク=悪人というイメージもあるのでしょう。しかし、マスクをすることで、無症状の人が他人にうつさないという効果があるのですから、権利を主張し過ぎのように、私には思えます。もう少し冷静になり、国民一丸となって、新型コロナに対抗していくべきだと思います。

 

そんなアメリカに、この曲を勝手にお返し致します。"USA for Africa"の"We are the world"です。歌詞にもありますが、そろそろ「耳を傾けるべき時」が来たのではないでしょうか。歌詞の中の"we"を"you(マスク着用に反対する人たち)"に置き換えると、ところどころ現状にあっているかなと思います。

 


U.S.A. For Africa - We Are the World (Official Video)

 

There comes a time when we heed a certain call

When the world must come together as one

There are people dying

And it's time to lend a hand to life

The greatest gift of all

We can't go on pretending day by day

That someone, somewhere will soon make a change

We are all a part of God's great big family

And the truth, you know

The love is all we need

 

We are the world, we are the children

We are the ones who make a brighter day

So, lets start giving

There's a choice we're making

We're saving our own lives

It's true we'll make a better day

Just you and me

 

さあ、あの声に耳を傾ける時が来た

世界が一丸となる時だ

死にゆく人々がいる

生命のために手を差し伸べる時だ

生命はあらゆるものの中で最高の贈り物だから

これ以上、知らないふりを続けることはできない

だれかが、どこかで今すぐ変えてくれるだろうなんてね

僕たちは神の下、大きな家族の一員だ

本当のことだ、分かるだろう

愛が僕たちには必要なんだ

 

僕たちは世界を作る一員でもあり、子供でもある

明るい明日を作るのは、僕たち一人ひとりなんだ

だから援助を始めよう

僕たちが選べる選択肢

それは自らの生命を救うことなんだ

本当さ、より良い世界を作ることが出来る

君と僕とで

 

この曲は、イギリスの"Band Aid"が1984年暮れに発表した"Do they know it's Christmas?"に負けるものかと、アメリカ人アーティスト達が集まって、翌年初頭に焦って発表した曲です。イギリスのビートルズに負けては恥とばかりに、モンキーズを無理矢理作ってしまうアメリカ人らしい発想だと思います。

 

"Charity begins at home"という言葉を、以前アメリカ人から聞いた覚えがあります。「慈善は家庭から」と訳せば良いのでしょうか。遠くよりも、まず身近な人に手を差し伸べよう、ということだと思います。アメリカでは、人口10万人当たりの新型コロナによる死者数は、黒人が65.8人に対し、白人は28.5人となっているそうです。黒人は総人口の12%で、白人はその5倍の62%もいるのに、です。白人警察官による黒人男性暴行死に対して、”Black Lives Matter (黒人の生命が大切)”と、全米にデモが広がっているようですが、本気で「黒人の生命が大切」と思うのなら、自分のすぐ周りにいる黒人への感染を防ぐために、まずマスクをするべきでは、と思います。

 

先日テレビを見ていたら、アメリカ人の中には新型コロナには感染しないと本気で思っている人が結構いる、感染しても大した事ないと考える人が多いから、マスクの重要性が浸透していかない、と解説している人がいました。そう言えば、20年くらい前の狂牛病騒動の時にも、アメリカのステーキレストランで、「俺達は強いから、牛肉を食べても大丈夫だ」とニュースのカメラに向かって、笑いながら言っていたアメリカ人がいたのを思い出しました。焼肉常食…、ではなく、弱肉強食社会と言われることもあった、アメリカならではの「逞しくて、頼もしい」人達だなと、なぜか深いため息が出ました。