えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

買う、減る、半ダース

日本ケンタッキーフライドチキン(KFC)株式会社が、7月4日に創業50周年を迎えたそうです。KFCの故郷である米国に敬意を表するため、独立記念日の7月4日を創業日としたとのことでした。私の住む最寄りの駅前には、数年前までKFCがありましたが、今はなく、「KFC難民」状態となって幾久しいです。先週、創業50周年ということを聞き、たまには食べようと、週末は隣の駅の前にある店でオリジナルチキン6ピースパックを調達しました。たまたまなのか、50周年ということで気合が入っていたのかは分かりませんが、チキンのスパイスがいつもより強く感じられ、非常に美味しかったな、と思いました。

 

ケンタッキーフライドチキンと言えば、この曲ですね。フォスター作詞・作曲の"My Old Kentucky Home"です。この曲を聴くと、ケンタッキーフライドチキンを思い出し、フライドチキンを食べると、この曲が頭を流れます。 

 

 


My Old Kentucky Home - The Robert Shaw Chorale

 

The sun shines bright on my old Kentucky home

Tis summer, the darkies are gay

The corn top's ripe and the meadow's in the bloom

While the birds make music all day

The young folks roll on the little cabin floor

All merry, all happy and bright

By'n by hard times come a knocking at the door

Then my old Kentucky home, good night

 

Weep no more lady

Oh, weep no more today

 

We wil sing one song for the old Kentucky home

For the old Kentucky home far away

 

懐かしいケンタッキーの我が家に明るい陽差しが注いでいる

夏が来て、黒人たちも楽しそう

トウモロコシの穂先も熟し、草原には咲き乱れる花

鳥たちは、夜となく昼となく歌い続けている

若者たちは小屋の床を転げ回る

楽しく、そして晴れやかに

時を置かずして、苦難の時がすぐそばに訪れる

懐かしいケンタッキーの我が家、おやすみ

 

もうお嬢さん泣かないで、もう今日は

懐かしいケンタッキーの我が家のために歌を歌うから

遠く、懐かしいケンタッキーの我が家を思って

 

 歌詞の二行目にある、"darkies"は黒人を指す呼称で、今は差別にあたるとして、他の言葉に変えて歌われています。

 

私の妻には、KFCというと思い出す話があるようです。妻曰く、「高校の定期テストが終わり、自宅近くのケンタッキーで、ランチセットを買ったのね。普段はお昼ごはんはお弁当だから、そういう時は滅多になかったの。その日は、前日からの雪がまだ残っていたから、大切な大切なお昼ごはんを落とさないように、おそるおそる歩いて大通りに出たところで、前のめりに滑っちゃったの。右手に持っていた通学カバンは手から離れて車道を滑って、あんこを混ぜたように黒くなっていた地面の雪はコートの袖から入るし、履いていた靴も脱げちゃった。靴もスニーカーとかなら、良かったんだけど、校則違反になるから、大雪なのに革靴だったの。それでね、みんなあちこちに散らかってしまったのに、左手に持っていたKFCの袋はしっかり握りしめていて、無傷だったのね。その月の残り僅かなお小遣いをはたいて買ったので、制服は雪まみれになったけど、良かった」

 

子どもたちには大変ウケていて、面白い思い出話ではありますが、聞いていて本当かなと思ってしまいました。持っていたカバンが車道に飛ばされ、靴も脱げる勢いで滑ったのに、ランチだけが無傷というのは、妻の日頃の運動神経を見ていると、いささか話を脚色しているように思えます。昔から、狐に化かされないように眉につばを塗る「眉唾」というものがあるので、私も真似てみようと、口に指を持っていった時に思いました。"Finger lickin' good (指をなめる程、美味しい)”を実感させるために、仕掛けた話なのかな、と。 考え過ぎですね。