えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

今日は、この日

75年前の7月26日(日本時間7月27日)は、アメリカ、イギリス、中国が日本に対して、ポツダム宣言を発した日です。以前、何かの本を読んでいる時に、この13か条からなる宣言を目にし、よく日本はこの宣言を「黙殺」したなと思った記憶があります。最後の13条目を転記します。「吾等ハ、日本国政府ガ直二全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ、且右行動二於ケル同政府ノ誠意二付、適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府二対シ要求ス。右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス」

 

米国大統領トルーマンは、日本がポツダム宣言を「受諾」しないことを確信していたようで、結果的に原爆投下を正当化させてしまったことは非常に悔やまれます。参考までに、最後の一文の原文は、"~The alternative for Japan is prompt and utter destruction"となっています。この最後の"destruction"で連想してしまうのは、中学生の頃好きだった、"Barry Mcguire"の"Eve of Destruction"です。核戦争の行く末を歌ったものですが、私には13条の宣言を「黙殺」した後の日本を描写しているように思えてしまいます。今日は、二番の歌詞を引用します。

 


Barry McGuire/明日なき世界Eve of Destruction (1965年)

 

Don't you understand what I'm trying to say

Can't you feel the fears I'm feeling today

If the button is pushed, there's no running away

There'll be no one to save with the world in a grave

Take a look around you, boy, it's bound to scare you, boy

 

And you tell me over and over and over again, my friend

Ah, you don't believe we're on the eve of destruction

 

私が言おうとしていることが分からないのか

今、不安になっている気持ちも共感してくれないのか

もしボタンが押されたら、もう元には戻れない

墓場と化した世界には誰も生き残れない

周りを見回せば、お前も必ず怖くなるはず

 

お前は何度も繰り返す

私たちが壊滅を目の前にしているとは思わないと

 

米軍は、1944年から始まる日本本土への空襲に際し、180の都市を人口等を考慮し、優先順位をつけた空襲リストを作成していた、と先日読んだ本にありました。高校生の頃、日本史の授業か何かで、米軍が京都を空襲しなかったのは、日本国民が大事にしている神社仏閣に対する配慮があったと教わった記憶がありますが、京都市は前述のリストの4番目、しかし原爆の投下目標とされていたので、空襲の対象から外していただけのようです。優先順位が1番の東京から180番目の熱海まで、日本各地をよくも細かくリストアップしやがったな、と思います。

 

以前、友人の米国人女性に、"Eve of Destruction"という曲が好きなんだ、と話したことがあります。あくまでも、「歌詞」ではなく「曲」です。その友人は、この曲を知らないと言うので聴かせると、しばらく不機嫌な感じで黙ってしまいました。私は、何も意図していなかったのに、何か警戒していたのでしょうか。でも、彼女はある時、はっきり言いました。原爆は戦争を終わらせるための必要悪だったと。 米国内で何を言おうと全く構いませんが、日本人を目の前にして、よく言えるなと思いました。そう言えば、南アフリカで聞いたジョーク?に、こういうものがありました。「100人の黒人を海に落としたら、それは”Pollution(汚染)だけど、100万人の黒人を海に落としたら、それは"Solution(解決法)"」

 

自分の同胞以外の生死に対する無頓着さが共通していて、非常に気味が悪かったのを覚えています。