えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

はい、私が新総裁で「すが」、何か……

安倍首相の後継を決める自民党総裁選の日程・方法が決まりました。今回は、「政治空白を作ることはできない」として、党員投票は省略されることとなったようです。ところが、小泉環境相は「政治空白が生まれるとの話があるが、政府の組織はしっかりと回っている」と発言しています。加えて、自民党のホームページには「総裁選挙の前2年継続して党費を納めた党員の方は、総裁選挙の有権者になります」と記載されていますので、有権者である党員が一票を投じ、新総裁を選出するのが筋だろうと思います。明らかに「政治空白」ではなく、総裁選に地方の声を反映させないための「党員投票省略」と、わざわざメディアを使って宣伝しているかのようです。どんな言い訳じみたことを言っても、過去の総裁選で多数の地方票を獲得した人を怖がっているとしか受け取られません。もし、高校の生徒会長選挙で、「あいつは1年生、2年生に絶大な人気がある。あいつには会長になって欲しくないから、今回は3年生だけの投票ということにしよう」と画策している生徒会があったら、と想像すると、全く笑えないコントのようです。

 

私自身、支持政党はありませんが、自民党の中では、この「怖がられている」石破茂元幹事長が好きです。数年前の衆院予算委員会での質問の際、手元の書類に目を落とすことなく、約一時間冷静に質問を続けるのを見て、他の議員とは別次元の人なのだなと思っていました。今回、劣勢が予想されている中の石破茂氏を見ていると、今日の曲が頭を駆け巡りました。"Billy Ocean"の"When the Going Gets Tough, the Tough Get Going"です。和訳は、石破茂氏ならこのように言うのかなと想像して訳してみます。

 


Billy Ocean - When the Going Gets Tough, the Tough Get Going (Official Video)

 

I got something to tell you

I got something to say

I'm gonna put this dream in motion

Never let nothing stand in my way

When the going gets tough

The tough get going

 

皆さまにお伝えしたいことがあります

言わねばならぬことがあるのです

私は、この夢を一歩先に進ませたいと考えております

いかなるものにも邪魔をさせるわけにはいかない

情勢が困難であろう時にも

タフなやつが逃げることなく突き進んで行かねばならぬのです

 

石破茂元幹事長が会長を務める石破派は19人、一方今日にも出馬表明する意向の菅官房長官には、最大派閥の細田派98人、麻生派54人、二階派47人、等と多くの議員票が集まる構図となっています。このような状況の中、石破氏は「仮に(総裁選に)出ないとなった場合、『石破は逃げたね』と言われる。今までの政治家としてのあり方を全否定することになる」と、出馬に踏み切ったようです。

 

14日の自民党両院議員総会での新総裁の選出を待つまでもなく、菅新総裁となることが決まっているも同然なので、8日の「自民党総裁選告示」のような見せかけの日程は、もはや不要に思えます。「ほぼ新総裁」の菅義偉氏は、今どのような思いでいるのでしょうか。

 

菅氏は、四年前の定例記者会見でのエイプリルフールに関する質問に対し、「私は非常に堅物で、ユーモアのない、一つ一つ着実な発言ばかり」と答えたことを始めとして、誠実で非常に真面目な方であることは、様々な報道を通して耳にしてきました。今後、新首相として大変な日本の舵取りを担っていくと思います。どうか空手有段者の菅新総裁、石破氏を叩いて……、ではなく、石橋を叩くように、慎重で安全な国家運営を期待しています。