えいご日日平安

つれづれなるままに 日暮らし 硯に向かひて

えっ、違うの?

前回に引き続き、Jim Steinmanの曲を取り上げたいと思います。

 

ラジオで、"Rock And Roll Dream Comes Through" を聴いたのが、最初に興味を持ったきっかけでした。どこか哀愁が漂うイントロに惹きつけられたのを覚えています。是非、自分のステレオで聴いてみたいと思いましたが、この一曲の為にLPレコードを買う勇気がありません。でも、当時それほど日本で人気のあった曲でもないので、いつ再びFMで流れるか、分かりません。そんな中、たまたま立ち寄った貸レコード屋(若い人たちはご存知ないと思いますが、この当時至るところに、レコードを貸す店がありました)で、"Bad For Good"を見つけ、借りることにしました。

 

1曲目のアルバムタイトル名と同じ、"Bad For Good" の力強いギターのイントロから、Steinmanサウンドに引き込まれ、その日は何度もLP両面を繰り返し聴きました。3曲目の、語りだけの"Love and Death and An American Guitar"は、何度も聴いている内に、全文が頭の中に残ってしまい、いつしか真似が出来るようになりました。そんなことをしながら数年が経つ中、ある日のラジオで耳に馴染んだイントロが始まりました。「うわぁ、懐かしい」と胸熱モードで耳を傾けていて歌が始まったら、自分の思っていた曲ではありませんでした。私がその時に懐かしいと思って、期待していたのは、以下の曲です。

 


Jim Steinman - Stark Raving Love

 

その時にラジオで流れたのは、Bonnie Tyler の"Holding Out For Hero"で、イントロが全く同じなのです。"Holding 〜"もJim Steinmanが作っていて、なぜこのような安易なことをしたのか知りません。いずれにしても、Jim Steinmanの遊び心というか、"Stark Raving Love" という曲を誰も知らないだろうと思ったのか、いい加減さとでも言えば良いのか、そういう点も彼らしいと思います。ちなみに、"Stark Raving Love" というタイトルは、"stark raving mad" =「完全に気が狂っている」というイディオムから取ったのではないかな、と思っています。

 

思えば、この時期はJim Steinmanの名前を見かけることが多く、Bonnie Tylerの"Total Eclipse Of The Heart" 、Air Supplyの"Making Love Out Of Nothing At All"などがヒットチャートを賑わせていて、密かに喜んでいました。どちらの曲も同じフレーズの繰り返しが多く、正に真骨頂という感じです。"Making〜"1番の歌詞の、"I know 〜"の繰り返しは19回あり、中でも"I know just +疑問詞+不定詞"の部分は、冒頭で12回繰り返しますから、中学3年生の英語の教科書のようです。

 

最後に、今日の思い込みのコーナーですが、"Rock And Roll Dreams Come Through"のボーカルはJim Steinman だと、ずっと信じ込んでいましたが、実際には、バックボーカルとしてクレジットされている、"Rory Dodd"というアーティストがリードボーカルでした。思い込みというよりも、声が似ているのと、アルバムクレジットが、さも全曲がJim Steinmanリードボーカルのように書かれているのがいけないと思います。

 

彼のおかげで、思い込みはいけない、何でも書いてあることをそのまま信じてはいけないという、良い勉強をさせて頂きました。今後は、還付金詐欺でも、特別定額給付金詐欺でも、なんでもドンと来いという感じです。